行き詰った作家(しかも名前がジャック)が起死回生の一発を書きに人里離れた場所にやってきて精神病んで陰惨な展開、という親の顔より見たアレ。
展開としては導入部(現実)→作家の妄想(執筆中の物語)と現実がごちゃまぜに進行→ラスト(現実)なのだが、途中の妄想部分が本当にとりとめもない「妄想」なので集中して観るのがかなり困難。良いところといえば「サランドラ」のマイケル・ベリーマンのお年を召しながらも元気そうな姿を拝めることなんだが、元気そうな姿自体は全然本作の出来に関係ない上にこれで喜ぶ人がどれだけいるのか疑問。
というか内容のどうでもよさよりも、役作りでもなんでもなくリアルで「薬とアルコールで身を持ち崩したヤバイ人そのもの」になってるエドワード・ファーロングの全身からにじみ出る闇のオーラが観ていて本当にキツイ。
映画そのものは凡作でも、出演している俳優の輝きで人をひきつけて結果的に人気が出るというのはよくあるが、その逆パターンというのは珍しい。箸にも棒にもひっかからないB級作を、主演俳優の闇オーラで地獄レベルまで引き下げてる印象(特にラスト)。
T2時代のファーロングのファンの人には(もちろん昔は昔、今は今!で切り分けられる人しか今となっては残っていないだろうけども)なかなかヘビーな映画だと思う。