非常に簡潔な映画。筋も非常に分かりやすく、特に導入部分に関してはこの手の映画のお手本なみの簡潔なつくりで実に観やすく、さっぱりしていて良い。が、問題はそこから先。
この手のホラーサバイバル映画は追い詰められたヒロインが血と涙と鼻水にまみれて延々悲鳴あげまくったり、殺人者がめちゃくちゃヤバイですよということをアピールする残酷殺しを見せまくったり、まああんまり褒められたもんでもないけど無意味におっぱい見せたりするなど、そういうところが重要なキモになる(のでそこにたっぷり時間と力を入れる)のが普通なんだけど、その最大の盛り上がり部分まであまりにも簡潔すぎてカッスカス。最初水でだんだん濃くなっていくのかと思いきや、最後まで水で拍子抜けしたという印象。ただし、水なので普通に飲みやすいし、悪い意味で変な後味も残らない。印象には残らないが、かといって悪印象もさほどない映画。
ヘイリー・ベネット演じる素朴な化粧っ気のない女子大生は(露出もなければホラー映画的な意味ではかわいげもないので男ウケはしなそうだが)女性からの好感度は高そう(ただし序盤の下着姿のスタイルの良さは男女問わず一見の価値あり)。死人はそこそこ出るものの、ゴアなシーンは無いと言っていいし、普通に短いので、アメリカの大学(寮)生活に興味があってちょっと怖い雰囲気を楽しみたい程度の若い女性が観るにはちょうどいいのかも。コッテコテのホラーサバイバルが観たい人にとっては水味の水。